Adobe Ideasは開発終了に
Ideas から新アプリ "Illustrator Draw" へ
Adobe Ideasは無償で使えるiPad/iPhone用ベクターグラフィックアプリとして、多くのユーザーに使われてきました。ペイント系アプリのような感覚で直感的に使え、データ(拡張子.idea)は無償のCreative Cloudストレージを経由してMacやWindowsのIllustratorに読み込ませたり、PDFファイルとしてiOSからメール送信できるなど、使い勝手の良いツールです。
しかし、今回アドビは、「Illustrator」の名を冠した新アプリ「Illustrator Draw」を発表すると同時に、Ideasの開発終了をアナウンスしました。アドビとしては、Illustrator DrawをIdeasの後継として位置づけ、ユーザにはIllustrator Drawへの移行を推奨しています。
データ移行は11月21日までに済ませるのが無難?
Illustrator Drawには、Creative Cloudに保存されているideasファイルをインポートする機能があります。Illustrator Drawアプリを立ち上げ
[設定]-[ファイルを管理]-[すべてのファイルを取得]をクリックすると、ideasファイルが、Drawのプロジェクトとしてインポートされます。ideaファイルは消去されることはなくそのまま残ります。11月22日以降は、IdeasがCreative Cloudと同期できなくなるため、11月21日までにIdeasファイルをCreative Cloudに同期しておくようにしましょう。Ideasファイルのインポート自体は今のところ期限は示されていないので、いつでも出来るとおもいます。しかし、念のため、11月21日までに済ませておくのが無難でしょう。
インポートは1回しかできない?!
筆者が実際にIdeasファイルのインポートをした時に気づいた点としては、Illustrator Draw側で「全てのファイルを取得」をクリックして一度インポートを行ったあと、Ideasで新しくideaファイルを作成したり、既存の編集などした場合、追加でインポートしようとしても、「全てのファイルを取得」の項目が消えており追加インポートができない、という困った問題がありました。
現時点での対処法としては、一旦Illustrator DrawアプリをiPadからアンインストールして、再度インストールすると、「全てのファイルを取得」が使えるようになる、という方法が有効でした。インポートする度に再インストールするのは面倒ですからアドビにはなんとかしてもらいたいところです。
Ideasのほうが良いところ
Illustrator Drawではできない事がいくつかあります。
- PDF書き出し
- Illustrator CS6等へのデータ引き渡し
現在のバージョンのIllustrator Drawでは単純に画像を書きだすと、ビットマップになってしまいます。ideaファイルは、Illustrator CS6などで読み込むことが出来たのですが、Illustrator Drawのプロジェクトは、少なくとも現時点では、Creative Cloud 版のIllustratorを契約していない人は、利用することが出来ません。
アドビのサポートは、この問題について今後対応する予定、と言ってはいますが、アドビとしては、サブスクリプション版Creative Cloudへの移行を推進したいでしょうから、すぐには期待できないかもしれませんね。
現時点では、有償版Creative Cloudの契約をしていない人はIdeasを使い続けたほうが良いかもしれません。ただし、ideaファイルはCreative Cloudに同期できなくなりますので、PDF書き出し(メール添付)を経由してパソコンのIllustrator CSに取り込む、という面倒な流れになりますがPDFファイルはIllustratorで開くとベクターグラフィックスとして利用できるため、この方法ならなんとかなるでしょう。