シンプルになりすぎて心配なYosemiteのアドホックネットワーク設定
MacをWi-Fiアクセスポイントにして、他のデバイスからの接続を受け付けられるようにするためには、メニューバー(Wi-Fiのアイコン)から「ネットワークを作成...」を選んでアドホックネットワークを作成します(アップルはこれを"コンピュータとコンピュータ"ネットワーク(computer-to-computer network)と呼んでいます)。Yosemiteでは、次のような画面が表示されます。
(Yosemite の超シンプルな設定画面)
なんと、設定項目はネットワーク名(SSID)と無線のチャンネルしかありません。
あれ?暗号化方式は?パスワードは?これまでアドホックネットワークを愛用してきた人は、Yosemiteのこの画面を見てかなり驚くことでしょう。Mavericksまでは、ここでアクセス用のパスワードの設定が行うのが通常でした。実際に「作成」ボタンを押して設定を終了し、iPhoneからアクセスしてみると、パスワード無しで接続できる「フリーのWi-Fiアクセスポイント」のようになっていました。
この事実、日本ではまだあまり話題になっていないようですが、海外サイトでは少し話題になっているようです(問題解決につながる情報は皆無なのでリンクはしません)。
アップルはアドホックネットワーク機能を撤廃する予定なの?
アドホックネットワークは、それほど多くのユーザに必要とされてきたわけではありませんが、今回の仕様変更でアドホックネットワークが安心して使えなくなくなったことで、アップルは事実上この機能を撤廃しようとしているようにも感じられます。セキュリティーもなく(これまでも暗号化はWEPにしか対応しておらず、やる気が感じられなかった)、安定性も期待できない(不特定多数のアクセスが可能な状況では通信は安定しない)のでは、もはや使う気になれないでしょう。
Keynoteのリモコン用にアドホックネットワークを利用していた人は、別のやり方に切り替える必要があるでしょう。iOS8/Yosemiteの組み合わせでは、インスタントホットスポット機能を使えば、同一LAN上にiPhoneとMadを置くことができますから、そちらを利用してね、というのがアップルの描くシナリオかもしれません。ただし、インスタントホットスポットはテザリングでインターネット接続を共有するための機能なので、クローズドなLANが必要なユーザのニーズは完全には満たさないような気もします。
ユーザの不満が多ければ、今後のアップデートでアップルが仕様を戻す可能性もゼロでは無い気がしますが、果たしてどうなるでしょうか。