2014年10月29日水曜日

アップルの無料アプリはすぐに使う予定がなくても必ずダウンロードしよう - iOS8発表の裏でひっそりとGarageBandが有料化…そのうちiWorkやiMovieも?

2013年のiOS7のリリースに伴い、アップルはいくつかのアプリの無料化を宣言しました。オフィス系のKeynote、Pages、Numbersに加えて、映像・音楽アプリの iMovie と GarageBand も無料化され、Mac用も無料で提供されるようになりました。実際に、無料ダウンロードできるのは「2013年9月1日以降にアクティベートされた端末」で、新規購入者向けの無料提供です(GarageBandは例外で全端末無料化されていました)。iOS8が発表された現在も基本的にアップルの方針は変わっていません。

さて、この無料アプリですが 「とりあえず権利はあるから必要になった時にダウンロードすればいいや」 と思っている方、いませんか?実は、この権利、永久に保証されているわけでは無いと思ったほうがよさそうです。



GarageBand 2.0.2 以降では無料ダウンロードの条件が変更されている


iOS8のリリースに対応して、様々なアプリがバージョンアップされていますが、無料アプリのGarageBandもiOS8対応版の2.0.2がリリースされました(2014/10/29 現在 2.0.4)。このバージョンからは、無料ダウンロードに条件がついています。

(アップルのウェブサイトより)

"GarageBandは、2014年9月1日以降に初めてアクティベートされた、条件を満たすiOS 8対応デバイスを対象に、App Storeで無料でダウンロードできます。"
ちなみに、他の無料アプリについては、10月29日現在、
"iMovie、Pages、Numbers、Keynoteは、2013年9月1日以降に初めてアクティベートされた、条件を満たすiOS 8対応デバイスを対象に、App Storeで無料でダウンロードできます。"
となっていますので、iOS7リリース当時と条件は変わっていないようです。


ダウンロードを保留していたユーザの権利は失われてしまった


2014年9月1日より前にアクティベートしたiPhone/iPadユーザは、今回のGarageBandアップデートに伴う条件変更の影響を受けます。GarageBandをまだ入手していなかった人は、App Store にアクセスしてみると「\500」と表示されることに気づくでしょう。これは、App Storeのエラー(無料アプリが有料と表示されるエラーはよく知られています)ではなく、現時点で無料ダウンロードの条件を満たさないユーザは有料で購入するしかないということを意味しています。
いつでもダウンロードできるからいいやと思っていたのに…
ちょっとショック。損をした気分ですね。


一度ダウンロードして「購入済み」にしてしまえば大丈夫


仕組みを知っていれば大した話ではないのですが、App Storeでは、一度「購入済み」にした音楽やアプリは、いつでも再ダウンロードできます。アップルの無料アプリも同じで、一度ダウンロードしてしまえば「購入済み」になるので、権利は永続します。逆に、ダウンロードしてない場合は、まだ自分の物になっていないので、今回のようにアップルの都合で権利が無くなってしまうことがある、ということです。

今回はGarageBandだけが条件変更されましたが、他の無料アプリも、今後、「2013年9月1日以降に初めてアクティベートされた…」の部分がいつ変更になるか誰にも分かりません。
全ての無料アプリは必ず一度ダウンロードしておく
くらいのつもりでいるのが良いと思います。必要なければすぐに削除すれば良いのです。


入手した無料アプリは自分の所有する古い端末でも使える


新しいiOS端末を購入して無料アプリを入手すると、自分の所有する古い端末にもアプリをインストールできるようになります。これは、正当な権利ですので仕組みを確認しておきたいと思います(→関連記事:無料の iWork と iLife を受け取る時の Apple ID に注意しよう)。

アップルが新しく購入した端末(iOS端末やMac)には無料アプリのダウンロード権が付いてきます。その端末を使ってApp Storeにアクセスすることで無料ダウンロードができます。
無料ダウンロードの権利は本体に、ライセンスはApple IDに。
重要な事は、ライセンスはApple IDに紐付けされるということです。ですから、同じApple IDで利用している古い端末にもインストール出来ますし、複数台も可能です。無料ダウンロードの権利は「本体を買うと付いてくる引換券」みたいなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。引換券(新しい本体)を提示すると、1ライセンス無料で入手できる、という仕組みです。

ライセンスはその時自分がログインしているApple IDに対して付与されます。すでにライセンスを持っているのでもういらないよ、という場合は、自分や家族の所有する他のApple IDで受け取るということも可能です(※権利を売買するのは違法/ライセンス違反でしょう)。Apple IDを一時的に変更する場合は、90日タイマーに注意しましょう(→関連記事:iTunes Store に使用する Apple ID と 90日タイマー)。


…アップルに文句を言いたい。


今回の件でわかったことは、アップルは前触れ無く無料アプリの提供条件を変更する可能性がある、ということです。ただし、GarageBandは他の無料アプリとは違い2013年の無料化で全ての端末でダウンロード可能となっており、今回初めて条件が設定されたということで、iOS7端末(iPhone 5s/iPad Air等)購入者が
"端末に付属した無料アプリの権利がなくなるのは約束が違う!"
と主張するのは筋違いという話になると思います。しかし、もし今後iWorkやiMovieなどの「2013年9月1日以降」のアプリが前触れ無く権利消失するような事があれば、ユーザーはアップルにクレームをつけるべきだと思います。無料アプリは本体購入の動機づけになっていますからね。

そもそも、GarageBandをこのような微妙な線引きで有償化した理由が知りたいです(iOS7端末なら大丈夫と、みんな信じていたと思うのですよ…)。