先の記事(→「ついに iOS8 が公開 - iCloud Drive は iOS7 や Mavericks には対応していないので注意しよう!」)で、iCloud Driveの利用開始は慎重に、と書きました。この記事ではブラウザ版iCloudにアクセスして気づいたことを書いておきたいと思います。
ブラウザ版 iCloud はどうなったか?
iCloud にはウェブブラウザからアクセスできるページ(ウェブアプリ)が用意されています。(→前の記事:「iCloud から iCloud Drive へ - iOS8 で大きく変わるアップルのクラウドストレージ戦略…」)
アドレス帳やカレンダー、メモなどに加え、アップルのオフィスソフトであるiWork(Pages, Numbers, Keynote)で作成したドキュメントも、iCloudにデータを保存する設定にしておけば、ブラウザ版のiWork(ベータ版ですが)でも作成したファイルを開いたり編集したりできるため、便利に使っていた方も多いと思います。
iOS8がリリースされ、iCloud Driveがサービス開始となった現在、iCloud.comにアクセスすると、
(現在のiCloud.com - iCloud Drive のアイコンが出現)
新しく "iCloud Drive" というアイコンが現れました。iCloud Driveへのアップグレードを行っていない状態でこのアイコンをクリックすると、
(iOSデバイスでiCloud Drive を有効にするようにと指示される)
iCloud Driveを使い始めるには、iOS端末でiCloudからiCloud Driveにアップグレードするように、と指示されます。何気なく受け流しそうになったのですが、これはかなり重要な宣言かも知れません。文字通りに読むならば、
iCloud Driveを使い始めるには、iOS8端末が少なくとも一つは必要ということになります。もし本当なら、iCloud DriveをGoogle DriveやDropBoxなどの汎用のクラウドストレージサービスと比較して、iCloud DriveはiOS8端末を所有していないと契約できない、という点においてかなり特殊だということになるので、注意が必要でしょう。おそらく来月リリースと目されているOSX YosemiteはiCloud Driveに対応していますが、Yosemiteが加わるまでは、iCloud Driveを使えるのはiOS8ユーザーだけ、という状況になりそうです。
iCloud Driveへアップグレードするには
実際にiOS8を使ってiCloud Driveの利用を開始するには、[設定]-[iCloud]-[iCloud Drive] を表示して、「iCloud Driveにアップグレード」をクリックします。
(iCloud Driveへの入り口)
注意事項として、iCloud Driveにアップグレードして書類が移行されると、iOS8またはOSX Yosemite以外からは書類にアクセスできなくなることが書かれています。
ブラウザ版のPagesやNumbers、Keynoteを使っている人は要注意!
さて、iCloud.comのホーム画面で、Pagesのアイコンをクリックしてみると、次のようなメッセージが表示されました。
なんと、iCloud Driveへのアップグレードが必要条件になっていました。すなわち、
iCloud とブラウザ版iWorkは両立しないということになるわけです。iCloudのままでしばらく続けようと考えていた人にとっては、難しい選択を迫られることになりそうです。