2014年4月4日金曜日

Office for iPad が日本で使えるようになる日はいつ?

先日、マイクロソフトがついに Office for iPad を発表しました。発表後、すぐに多くの国の App Store でダウンロード提供が開始され、すでに1200万ダウンロードを突破した(→公式ツイート)そうですが、残念ながら日本向けの正式な提供は今回は見送られています。




Office for iPad は 「Office 365」 ユーザのためのソフト


パソコンで Office を使っている場合、iPad で Office が使えるというのはとても魅力的です。ファイルの互換性の点では、Office 互換ソフトや アップルの iWork でファイル形式を変換するよりも、マイクロソフト純正の Office で開くのが一番だからです。既に提供されている国や地域では App Store から無料でダウンロードできる Office for iPad ですが、利用条件には注意が必要です。マイクロソフトは、Office をパッケージソフトとしての販売形態から課金制のクラウドサービスである「Office 365」 へと移行させつつあり、今回の Office for iPad は、この 「Office 365」 のユーザに対して無償で提供するという形を取っています。ですから、
"Office for iPad を使いたい人は 「Office 365」 を契約してね"
ということになります。日本では、Office 365 は法人向けには提供されていますが、個人向けのサブスクリプションはまだ提供されていません。そのため、日本では Office for iPad が使えない、というのが現状です。


世界標準の Office 365 へ移行? それともガラパゴス化?


マイクロソフトは、Office 365 への移行を推し進めていますから、日本で個人向けの Office 365 サブスクリプションを発表することになれば、自動的に Office for iPad も提供されるようになるでしょう。
そもそも、日本で Office 365 が提供されていない理由には、日本のパソコン市場の特殊性があるようです。日本では、パソコンを買うと、Office やその他の多くのバンドルソフトがあらかじめインストールされてきます。 「すぐに使えます」 というのがウリ文句なのですが、これは日本だけで成功している方式で、そのため、マイクロソフトは日本での Office の販売は特別扱いしており、例えば Office 2013 の Personal 版は日本だけに存在します。今回はそれがむしろ裏目に出る形で、Office 365 への流れから置いてきぼりを食らった形です。日本では iPad のシェアは高いですから、マイクロソフトは何らかの方法で Office for iPad を提供する予定があることは間違いありません。世界標準の Office 365 になるかもしれませんが、日本では月額課金よりも買い切りのほうが好まれる傾向もありそうですから、特別エディションの単独アプリとして Office for iPad を販売する可能性も否定は出来ないように思います(ガラパゴス化ですね…)。


iPhone で使える Office Mobile は無料で提供


Office を iPhone で利用するのはあまり現実的ではありませんが、今回の Office for iPad の発表に伴い、以前 Office 365 ユーザ向けに提供されていた Office Mobile が無償化されています。Office for iPad と同じく、マイクロソフトのクラウドストレージ「One Drive」にデータを保存する形で、iPhone で Office ファイルの閲覧・編集が可能です。メールの添付ファイルでワードやエクセルを受け取ることが多い人は、とにかくインストール、セットアップしておいて損はないと思います。