また、古い iPad や iPhone を家族に譲って再設定する際にも、デバイスに新しい iTunes Store 用の Apple ID を設定することがありますね。
最近、「Apple ID を設定する際には、90日のタイマーや10台制限に注意」 というような内容の記事を見かけるようになりましたが、どういうことだか今ひとつわからず、少し調べてみました。
以下に要点をまとめておきます。
iTunes Store のアカウントは著作権の問題や、購入したライセンスの使用範囲を制限する目的で、端末の台数に制限を設けるようになっています。
「コンピュータの認証は5台まで」
- iTunes Store から購入した項目は、最大 5 台のコンピュータで同期または使用できます(アップルのサイトより)ということで、パソコンの iTunes を起動した後「このコンピューターを認証する」 で認証を済ませることで、購入した項目がそのパソコンで使えるようになります(iTunesに接続した iOS デバイスへの同期もできるようになります)。認証については、iOSデバイスの台数には制限はない、という点に注意です。
「iTunes Matchや自動ダウンロードを使う場合の追加制限」
- Apple ID は最大 10 台のデバイスやコンピュータ (両方合わせて 10 台まで) に関連付けできます(アップルのサイトより)こんなことが書いてあるので、あれ? 5台なの?10台なの? 認証?関連付け?と混乱を招いているのでしょうね。グレーの文字で書いてある部分をよく読めばわかるのですが、
- iTunes Match または自動ダウンロードを有効にしたり、以前購入した項目を iOS デバイスやコンピュータにダウンロードしたりすると、そのデバイスやコンピュータがお使いの Apple ID に関連付けられます(アップルのサイトより)ということで、この追加の制限は、実質的には、「自動ダウンロードを有効にした場合」にのみ課されることになります(日本ではまだ iTunes Match は提供されていないため)。なので、自動ダウンロードをオフにしておけば「今のところは」関係ない、ということになります。自動ダウンロードを有効にしてしまった Apple ID については、5台制限に加えて、
- 10台制限(コンピューター、iOS デバイスをあわせた総数)
- この Apple ID を端末の App & iTunes Store に登録したら、90日は変更不可
という制限がつきます。そのため、気軽に App Store 用の Apple ID が変更できないので、タイミングが悪いと家族に譲る際に設定を変更できなくて困ることになります(デバイスを完全に消去してもダメです)。
と、今のところはこんな感じのようです。現在、アップルは iCloud をどんどん前面に押し出してきているので、そのうちまた新しいルールが登場する可能性もあるのではと思います。アップルにはできるだけユーザーの利便性を損なわないようなルール作りをお願いしたいものです。
(2014.5.26 補足) iTunes Match は 2014年5月2日に日本でも利用可能になりました(→関連記事:「iTunes Match を使い始めると「できなくなる」こと」)